「世界を変える3の教訓」アシュタンガヨガとの共通点
あなたは、ネイビーシールズ(米海軍特殊部隊)をご存じでしょうか?
世界でもっとも優れた戦闘部隊と呼び名のあるほど、軍隊の精鋭の中の精鋭を集めた特殊部隊です。シールズ(SEALs)という名前の由来は、海(SEa)、空(Air)、陸(Land)の頭文字であり、隊員はあらゆる状況での特殊任務に対応できるよう厳しい訓練を受けています。マクレイヴン氏はSEALsの司令官などを歴任し、大きな功績をあげた人物です。
とても説得力があり、勇気をもらったスピーチです。厳しい訓練経験とそこから得た学び、体験してみなければ学び得ない教訓をとても力強い言葉で語っています。日本語字幕版の動画がないのですが、ぜひ生の英語でスピーチを聞いてほしいです。アシュタンガヨガのプラクティスを続けるたなかでヨガの練習にも通じると感じた3つの教訓を短くまとめました。
ベットメイキングで1日をスタートする。まず小さなことを成し遂げる。
”朝、自分のベットをきれいに整えること。そんな小さなことでも、一つ完璧に成し遂げたという達成感。その小さな達成感で1日をスタートする。そしてまた一つ、またもう一つと小さな成功体験を積み重ねていく。そうやって初めて大きな物事を成し遂げることができる。”
多くの場合、私たちは単純で平凡でつまらないタスクを丁寧に、完璧に仕上げようとは思わないものです。どんなに小さなことだったとしても、小さなことを完璧に成し遂げたという成功体験の積み重ね。そうやって人は世界を変えていくことができるというのです。この教訓は、目標管理・モチベーション管理にも通じるところがあると感じました。
往々にして私たちは、大きな目標を立ててしまいがちです。大きな目標を達成するためには、小さな成功を積み重ねていくこと。それがどんなに小さなことでも、自分の中にその小さな達成感が積み重なっていくことで、それだけで前に進むモチベーションとなってくれるということです。
アシュタンガヨガのプラクティスに当てはめると、まずは目の前のポーズを完璧にできるようになる。何度も何度も繰り返すことで、少しづつ身体と自分の心に変化が出てくる。そうやって次のポーズに進んでいく。一つのシリーズができるようになるまでには長い期間がかかります。つい欲張って、今つまづいているポーズに向き合うことをせず、難しいポーズに挑戦したり、好きなポーズばかり練習したい欲がでてきます。まずは小さなことを成し遂げる=「まずは目の前のポーズに丁寧に取り組むこと」アシュタンガヨガにも通じる教えだと思います。(アシュタンガヨガでは、原則、指導者からOKが出るまでは次のポーズは練習しないステップ・バイ・ステップのアプローチをとっています)
自分の不幸な境遇を乗り越えて、前に進み続けること
”自分の悲運から目を背け、その原因を自分以外に求めることは簡単だ。生まれ育った環境や、親の育て方、通った学校で将来がすべて決まってしまうと考えることも簡単だ。だがそんなものはとんでもない嘘っぱちだ。普通の人々も、優秀な人々も、男も女も、人生の不公平さにどう向かい合うかで決まるのである。”
誰もが、自分の不幸を、周りの環境や他人のせいにしてしまいがちです。
「お金がないから、いい学校に行っていないから、美人ではないから、運動神経がないから、仕事が忙しいから」と。
人生は不公平なものだという事実から目をそらさないこと。そして、その事実にちゃんと向き合うこと。
”ヘレン・ケラーしかり、ネルソン・マンデラしかり、スティーブン・ホーキンスしかり、マララ・ユスフザイしかり、モーキー・マーティンしかりだ”
”一人の人間には、不幸な境遇を乗り越え、希望を与えることで世界を変える力がある。”
自分にないものに目をむけるのではなく、今の自分の環境を受け入れ、今の自分に何ができるのかにきちんと向き合うこと。ヨガをして、自分の身体と呼吸に向かい合うこと。それは、今の自分自身を受け入れることにもつながるのではないでしょうか。
決してやめないこと。
“もしやめれば生涯後悔するだろう。投げ出すことで何かが楽になることはないんだ。
”人生では続けるより辞める方がはるかに楽に思える状況に何度もでくわす。自分にとって不利な状況になるほど、投げ出す方が合理的な判断に思えてくるのだ。”
朝のアシュタンガ・プラクティスをやめてしまえば朝5時に起きる必要はありません。暖かい布団のなかでゆっくりと過ごすことだってできます。やめることはとても簡単です。しかし、世界を変えたければ決してやめないこと。ウィリアム・マクレイヴン氏はそう勇気づけてくれます。私は、セカンドシリーズができるようになることを2024年の目標にしました。セカンドシリーズは大きな目標ですが、マクレイヴン氏の教えに従い「1日1つ小さなことを成し遂げる」を毎日の目標にしたいと思います。
- 目の前のポーズに真剣に向き合い、一つ一つできるポーズを増やしていくこと。
- 時間がないこと、仕事が忙しいことを言い訳にしないこと。自分にできることに目を向けて、1日5分でもプラクティスする時間を作ること。
- プラクティスをやめないこと。
マクレイヴン氏の10つの教訓から私がとても感銘を受けた3つを紹介しました。他の教訓もとても説得力があり、素晴らしい内容です。本当に困難を乗り越えて来た人だからこそ伝えられる強い説得力とメッセージが感じられます。
- 新しいことに挑戦しているが、挫折しそうな人
- 今の自分の境遇に満足できず、不平不満を口にしてしまう人
- 何かを成し遂げて、世界を変えたいと思う人
そんな人に本当におすすめのスピーチです。
さいごに、アイアンガー氏のことばでしめくくりたいと思います。
The hardest road is the surest and the shortest one.
困難な道こそ、確実で最短の道である。
出典:アイアンガー108の言葉