呼吸法&瞑想のための5つのヨガの座り方

あなたは瞑想するとき、どんな姿勢で行っていますか?瞑想を行うとき、呼吸に意識を向けたり深く集中したくても、ポーズが安定しないと長く座っていることが難しいですよね?

瞑想のポーズを安定して、快適にホールドできるようになると、集中力が高まり瞑想の質も上がります。ヨガの経典には、呼吸法・瞑想をするための5つの座位ポーズが記述されています。この記事では、瞑想の質を高めるための古典的なヨガのポーズを5つ紹介します。

自分にあった瞑想のポーズを見つけましょう!

こんな人におすすめ

  • 瞑想の姿勢が長く続けられない
  • 瞑想のための自分にあった姿勢・ポーズを見つけたい
  • ヨガの呼吸法&瞑想について学びたい

ヨガの呼吸法とは

普段、私たちは呼吸を意識して行うことはほとんどありません。

けれど呼吸は私たちが、生まれてから死ぬまでずっと続いている生命活動であり、私たちの身体に必要な酸素を届けてくれる重要なプロセスです。

ヨガにおけるプラーナヤーマ=呼吸法(調気法)とは、私たちのプラーナ(生命エネルギー、または気)の源である呼吸をコントロールするプラクティスに他なりません。プラーナヤーマの「prana 」は生命、生命力をあらわし、「ayama」は制御、という意味があります。つまり呼吸法(調気法)は生命エネルギーのコントロールと言い変えられます。呼吸法では、吐く息(Rechakaレーチャカ)吸う息(Purakaプーラカ)の後に、息をホールドするクンバカと呼ばれる技法があります。

  • 息を吐ききってから止めるバーヒャ・クンバカ
  • 息を吸ってから止めるアンタラ・クンバカ

の2種類があり、このクンバカをプラーナヤーマの練習に取り入れることで、体のエネルギーレベルを上げたり、体を巡る生命エネルギー(気)の循環を整えてくれる効果があるそうです。

ヨガの呼吸法(プラーナヤーマ)は体の生命エネルギーを目覚めさせ、身体の老廃物を排出し、老化を遅らせてくれるヨガのテクニックの一つです。

ヨガの呼吸法&瞑想のための姿勢・5つのポーズ

ヨガでは呼吸法・瞑想をするための5つの古典的な座位ポーズがあります。

  • シッダーサナ(達人のポーズ)
  • パドマーサナ(軽減:アルダ・パドマーサナ)(蓮華座)
  • スヴァスティカーサナ(吉祥坐)
  • スカーサナ(安楽座)
  • ヴァジュラーサナ(正座)

シッダーサナ

シッダーサナはハタヨガの経典の中で、特に重要なポーズとして強調され、「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー」の中ではこのシッダーサナを毎日行わなくてはならない、とも書かれています。

このポーズは他の座位のポーズと比べても最も大きな支持基底面(体が床に接する部分により作られる広さ)を持つため、バランスを保ち、安定して座ることができるポーズです。

シッダーサナは足首や股関節の柔軟性が必要なため、安定して座れるまでは練習が必要です。身体をまっすぐ保つのが難しかったり、膝が床につかないという場合は、クッションの上などに座って高さを出してあげるのが良いでしょう。

パドマーサナ(軽減:アルダ・パドマーサナ)(蓮華座)

パドマとは蓮の花を意味します。蓮はインドの国の花でもありますね!このポーズは日本の禅においては「結跏趺坐(けっかふざ)」と呼ばれています。 パドマーサナは、瞑想から解脱に至るための重要なポーズと考えられており、ヨガの経典「ハタヨーガ・プラディーピカー」ではこのポーズで呼吸を安定させることで解脱に至る、と書かれています。

もしも行者がパドマ体位を保持し、気道を通じて体内に取り込んだ気を保留するならば、彼は解脱することができる。この点については疑問の余地がない。

ハタヨーガ・プラディーピカー 1章49節

股関節の柔軟性がないと非常に難しいポーズです。無理に座ろうとすると膝を痛めるリスクがありますので、ヨガの練習を継続し股関節が十分に開くようになってからチャレンジするのがおすすめです。

パドマーサナが難しい場合はアルダ・パドマーサナ(半蓮華座)を練習しましょう。半分の蓮華座の方がやさしく、瞑想やプラーナヤーマの練習に使えます。継続することで、少しづつ股関節の柔軟性も高まります。

時間をかけて練習すれば、蓮の花のように美しく安定してパドマーサナを組めるようになります。

私も初めてパドマーサナを組んだ時は痛すぎて無理でした・・・ヨガの練習を続けるうちに気がつくと両方の足を乗せて快適に座れるようになっていました。(1年以上かかりました)

スヴァスティカーサナ(吉祥坐)

スヴァスティカとは卍(まんじ)のことを指し、座った時の足の組み方が、この卍の印のように見えることから名前が付けられています。 シッダーサナと少し似ていますね。足の裏を上向きにして足の腿裏とふくらはぎで足を挟むようにします。身体を真っ直ぐにして座るあぐらのポーズです。

スカーサナ(安楽座)よりも足首、膝の柔軟性を必要とします。このポーズが難しい場合は、スカーサナ(安楽座)の練習から始めましょう。

スカーサナ(安楽座)

5つのポーズの中でも、このスカーサナが一番取り組みやすいポーズです。踵が膝の下にくる位置で、すねとすねの真ん中をクロスさせるように座ります。坐骨で床を押すように、骨盤をまっすぐ立てて座るのがポイントです。両掌を天井に向けて、膝の上に軽く乗せます。

シッダ・アーサナ、パドマーサナ、ヴァジュラーサナを組むのが難しい場合には、このポーズに取り組んでみましょう。

身体をまっすぐ保つのが難しかったり、膝が床につかないという場合は、クッションの上などに座って高さを出してあげるのが良いでしょう。

膝の下に、ブランケトなどを入れることで安定します。

ヴァジュラーサナ(正座)

日本人にお馴染みの正座のぽーずです。足の甲の両サイドでしっかり床をとらえるようにし、骨盤を立てて座ります。両掌は腿の上に。この時、足の指先が内向きになりやすいので、意識して足の親指の付け根でしっかりマットを押すようにします。膝が痛む方は、踵とおしりの間にブランケットを挟むと負担が軽減されます。

ヨガの瞑想&呼吸法を練習する前のチェックリスト

  • 呼吸法の練習中は目を閉じる
  • 背骨をまっすぐ伸ばし骨盤を立たせて座る
  • 頭、首、背中のアライメント(正しいポジション)を意識
  • 肩とお腹の力は抜き、リラックス
  • 手は、膝の上に楽な形でのせておく
  • 練習中は、できるだけ身体を動かさないように
  • 静かな心、リラックスした状態で行う

ヨガの瞑想・呼吸法のための座り方・まとめ

古典的なヨガの呼吸法・瞑想のための姿勢には5つの代表的なポーズがあります。中でもパドマーサナ(蓮華座)はたくさんのバリエーションポーズがあり、アシュタンガヨガのシークエンスの中にも組み込まれています。

パドマーサナ(蓮華座)を組むためには股関節の柔軟性を高める必要があり、このポーズを安定して快適なものにするため、私たちはヨガのさまざまなポーズを練習していると言っても良いかもしれません。

初心者の方におすすめなのは、スカーサナ(安楽座)です。最初のうちは、このスカーサナから徐々に柔軟性を高め、アルダ・パドマーサナ(半蓮華座)を練習するのがおすすめです。

スティラ スッカン アーサナン

坐り方は、安定した、快適なものでなければならない

ヨガスートラ2章46節 ヨーガ根本経典 佐保田鶴治訳

ヨガの養成学校で学んでいる間、多くの先生方が「呼吸」の大切さについて強調していました。

なぜ呼吸がそんなに大切なのか、呼吸は意識しなくても自然に出来ているし、ヨガを初めてから数年以上、私自身あまりピンときていませんでした。

セルフプラクティスを継続するうちに、そして呼吸に合わせて身体を動かすうちに、少しづつ呼吸と連動して体が反応したり、呼吸に合わせてポーズが深まってくるのが実感として分かってきた気がします。