【シータリー呼吸法】暑い夏に体を冷やし心を落ち着かせてくれる呼吸法
暑い夏におすすめなのがシータリー呼吸法です。Sitは「冷やす、落ち着かせる」という意味があり、身体を冷やし、心を落ち着かせてくれる呼吸法です。リラックス効果、ストレスや不安の緩和、集中力の向上、血圧の低下などの効果が期待できます。
シータリー由来
このシータリーとよばれるクンバカは、脾臓肥大等の疾患、熱病、胆汁異変、飢餓、渇、毒の害をとりのぞく。これも暑気に適す。
ハタ・ヨーガ・プラディーピカー 第2章58節
「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー」によるとシータリーは必須のプラーナーヤーマとして挙げられています。
シータリーは、スーリヤベーダナ、ウジャイー呼吸と共に、ヨガセラピーにおいて3つのドーシャのバランスをとるために使われます。
・シータリー:ピッタをおさえる
・ウジャイー:カパをおさえる
・スーリヤ・ベーダナ:ヴァータをおさえる
暑い季節や暑い地方において、体を冷やし、心を落ち着かせてくれるのがシータリー呼吸法です。カパラバティやバストリカといった熱を生み出すタイプの呼吸法の後に、バランスをとるために行われることもある。
ピッタ体質の人は、寝る前に実践すると1日の熱をクールダウンしてくれる効果がああります。
シータリーの効果
- 熱を発散させる(妊娠中にも効果的)
- 高血圧の改善(クンバカなしで行う場合)
- 喘息や糖尿病の対策として(「ヨーガ・ヤージュニャバルキヤ」)
- 空腹や喉の渇きを抑える、毒の解毒剤として(ハタ・ヨーガ・プラディーピカー 第2章58節)
- 炎症や潰瘍の軽減
- アンチエイジング
- 白髪を黒くする
実践方法
舌を両唇の外に出し、それを巻いて、イキを吸い、クンバカをなし、両方の鼻孔から心静かにイキを吐く。
ハタ・ヨーガ・プラディーピカー 第2章57節
テクニック
- リラックスした座法で座り目を閉じる
- 舌を口から出し、舌を丸める(ストローのように)
- 口から吸う
- 吸い切ったら舌を戻し、口を閉じる。鼻からゆっくり吐く
- ヨガの完全呼吸法を意識して、吸う息と吐く息が同じ長さになるよう練習する 1:1 (冷却効果をたかめるため、少しづつ長くしていく)
練習回数:最初は数回〜慣れてきたら9〜15呼吸行う
上級者向けの練習では、吸気のあとにアンタラ・クンバカと呼ばれる息止めをいれる(ジャーランダラバンダを使う)クンバカには血圧を上昇させる効果があるため、高血圧の場合はクンバカなしで実践する。
禁忌
- 低血圧、風邪、咳、気管支炎、肺炎、扁桃腺、消化不良の人は控えましょう
- 寒冷地に住んでいる方、空気が汚れている地域に住んでいる方は控えましょう
通常、ヨガでは鼻呼吸が推奨されます。鼻呼吸は空気の汚れを取り除くフィルター効果もあると言われています。シータリーでは口から呼吸するため、汚染された都市部では、喉が痛くなることもあります。
【シートカーリー】舌を巻くのが難しい場合の呼吸法
舌を巻けない場合は、シートカーリーをシータリーの代わりに実践しましょう。シートカーリーもシータリーと同じようにピッタをおさえ、冷却効果を期待できます。
シートカーリーは「歯擦音を出す人」という意味があります。
両唇の間に舌をあてて、シーという音を立ててイキを吸い、イキを吐く時には鼻を使う。これに習熟すると第二のカーマ・デーヴァ(愛の神)となる。
ハタ・ヨーガ・プラディーピカー 第2章57節
テクニック
- リラックスした座法で座り目を閉じる
- 上下の歯を軽く閉じる
- 歯をみせるように口を開く
- 歯の間から吸う
- 吸い切ったら、歯を楽にし、口を閉じる。鼻からゆっくり吐く
- ヨガの完全呼吸法を意識して、吸う息と吐く息が同じ長さになるよう練習する 1:1 (冷却効果をたかめるため、少しづつ長くしていく)
セルフプラクティスのすすめ
呼吸法を行う際には、無理をせず、自分のペースで行うことが大切です。最初は簡単に始めて、ゆっくりと深呼吸をするようにしましょう。繰り返し練習することで、呼吸法の効果を実感してみましょう。
シータリーやシートカーリーの練習は、必ずアーサナや呼吸法の練習と組み合わせる必要がありません。早朝や夕暮れ時、心地よい風を感じながら、森や海辺などの自然のなかで行うのも気持ち良いでしょう。