チャンドラベーダナ(月の呼吸法)
チャンドラベーダナ(月の呼吸法)は、左の鼻から吸って、右の鼻から吐く片鼻呼吸法です。ナディショーダナ(片鼻呼吸法)では、左右交互に行ないますが、チャンドラベーダナは、左から吸って右から吐くサイクルを繰り返します。
左の鼻から吸うチャンドラベーダナは、体をクールダウンし、疲れを癒やし、心を落ち着かせてくれる効果があります。
チャンドラベーダナがオススメな人
チャンドラベーダナはクールダウン&リラックス効果のある呼吸法です。特に活動的、分析的、ストレスの多い生活を送っている、そんなタイプの方に向いています。チャンドラベーダナを行うことで、月の気道(イダー)と太陽の気道(ピンガラ)のバランスを取ることができます。
- 月の性質(右脳・副交感神経・陰・直感的・リラックス・クールダウン)
- 太陽の性質(左脳・交感神経・陽・論理的・アクティブ・熱を生み出す)
その人の体質によって、そして時間や季節によっても、左右のエネルギーバランスは異なります。その時、その季節で自分に合った呼吸法をチョイスしていきましょう。チャンドラベーダナが自分に合わないと感じる時は、ナディショーダナ(片鼻呼吸法)を練習しましょう。
チャンドラベーダナの効果
- リラックス
- クールダウン(暑い夏や暑い場所で行われます)
- 疲れを癒やし、心を落ち着かせる
- 直感力、他人への共感力、思いやりを高めてくれる
- 妊娠中の女性(チャンドラベーダナは女性的な性質を活発にするため)
チャンドラベーダナの禁忌
以下のような時には、チャンドラベーダナのプラクティスは控えましょう。
- 憂鬱な気分の時、無気力な時
- カパ*が乱れている時、カパに関連する病気がある時(風邪、気管支炎、肺炎、喘息)
- 強い意志力が必要な時、肉体的な活動が求められる時
*カパ:アーユルヴェーダにおけるドーシャと呼ばれる生命エネルギーの一つです。カパは水のエネルギーを象徴しています。
チャンドラベーダナのやり方
初めてチャンドラベーダナを行うときは、まずはクンバカ(息を止める)なしで行うことをおすすめします。(クンバカの練習は上級者向け)最初のうちは、吸う息と吐く息の長さが一定になるよう(1:1)のペースで行います。無理することなく、自然に続けられる長さを選びます。(例:吸う息8秒、吐く息8秒)慣れてきたら徐々に呼吸の長さを長くしてみましょう。(1回のサイクルでのペースは変えない)
- 安定した座法で座る(瞑想の座位ポーズを参照)
- 右手でムドラーを組む(人差し指と中指を折り曲げる)
- 息を全て吐き切ってから、親指で右の鼻を塞ぐ
- 右の鼻を塞いだまま、左の鼻から吸う
- 左の鼻を塞ぎ、右の鼻から吐く
- 左の鼻で吸って、右の鼻で吐くサイクルを繰り返す(10サイクル〜5分程度)
まとめ。ヨガの呼吸法を毎日の習慣に。
チャンドラベーダナは、リラックスしたい時、心を落ち着かせたい時にオススメの呼吸法です。スーリヤベーダナのブログでも書きましたが、毎日のプラクティスとしてのプラーナーヤーマをチョイスする場合には注意が必要です。その日たまたま、どちらかに偏っているというだけでは判断できません。長期的に自分の傾向を注意深く観察し、左右どちらに偏っているのかを見極める必要があります。
- スーリヤ(右)が過剰になりやすい職業かどうか(医者、弁護士、講師など集中力と論理的思考を必要とする仕事)→チャンドラベーダナが有効
- 睡眠の状態はどうか(睡眠過剰の場合はチャンドラ(左)が過剰な可能性あり)→スーリヤベーダナが有効
- うつ傾向にある場合チャンドラ(左)が過剰な可能性が高い→スーリヤベーダナが有効
その時、その季節、自分のライフスタイルによって自分に合った呼吸法を取り入れていく必要があります。チャンドラベーダナの呼吸法が自分に合っているかどうかは、注意深く判断する必要があります。チャンドラベーダナが自分に合わないと感じる時は、ナディショーダナ(片鼻呼吸法)を練習しましょう。