アシュタンガヨガ練習記録〜カムアップ&ドロップバック
カムアップ&ドロップバック ステップ・バイ・ステップ練習方法
ウールドヴァ・ダニュラーサナからのカムアップとスタンディングポーズからのドロップバック、これらはアシュタンガヨガを実践する中でプライマリーシリーズからインターミディエイトシリーズへ進むための一つの通過点ともみなされています。
カムアップ・ドロップバックが出来ない限り絶対に次のステップへ進めないということではなく、これらができることで、インターミディエイトシリーズのポーズに取り組むための十分な柔軟性と強さを身につけられているという一つの指標になります。
私自身、現在進行形でウールドヴァダニュラーサナを練習中です。自分の年齢、体の柔軟性を考慮しながらどこまでできるかを見極めながら取り組んでいます。
この記事は、私がこれからカムアップ&ドロップバックを練習する中で、意識したいポイントをKINO MacGREGORさんの書籍をベースに自分なりにまとめたものです。
非常に難易度の高いポーズとなりますので、指導者がいる場合は必ずアシストしてもらいながら、次のステップに進めるかどうかを見極めることをお勧めします。自分で練習する場合も、自分の体をしっかり観察しながら、一つのステップを何年も、何人生もかけるつもりで練習することが必要です。
参考書籍:The Power of Ashtanga Yoga: Developing a Practice That Will Bring You Strength, Flexibility, and Inner Peace –Includes the complete Primary Series (English Edition) (著:KINO MacGREGOR)
カムアップ
前提条件:ウールドヴァ・ダニュラーサナで腕をまっすぐに、楽に伸ばせること
ステップ1
- ウールドヴァ・ダニュラーサナの状態から、重心を足へのせる(手を足の方へ近づけるためのスペースを作る)
- 注)踵がしっかり床に根付いていること。踵が浮いてしまう場合はそれ以上行わない
- (手を置く位置を少しづつ足の方へ近づけていく)
- 吸:重心を足へ
- 吐:重心を手へ
- この動きを5回繰り返します。(十分な柔軟性と強さを作る)
ステップ2
- 吸:重心を前方向へ、足に乗せながら、手を少し床から離す。
- 体を手の指だけで支えられるかチェック(これが簡単にできるようになってから次のステップへ進む)
- 吸:重心を足へ
- 吐:重心を手へ(指先)
- この動きを5回繰り返します。(毎日このゆりかご・ロッキングチェアーのような動きを練習し、柔軟性と強さを作る)
ステップ3 カムアップのポイントと起き上がり方
- なるべく勢いで起きあがろうとしない。安定した重心移動を行うつもりで、重心をしっかりした土台(足、骨盤、踵)へのせていく
- 足はできるだけ外へ開かない(難しい場合は、足の内旋を意識する。骨盤の前面を伸ばし、足の親指の母指球で床を押す)
- 膝は足首の向こう側へ。重心を足へ移し、踵・母指球に乗る
- 骨盤を前に、腸骨稜を倒して前に押し出す。
- (必要であれば、手と足に重心移動する時の勢いを少しだけ利用しても良い)
- 手が離れると、頭をあげたくなる(NG)。頭をあげるのは一番最後。
- 手と頭は、後ろにぶら下がったまま、まずはお尻を前へ、上半身の重心が足と腰にのるように。
- 胸がお尻の前にきたら、手を胸の前へ、最後に頭をおこす。
ドロップバック
カムアップ・ドロップバック、やりやすい方から取り組んで良い。
ステップ1
- スタンディングポーズからスタート(足は腰幅か少し広いくらい)
- 太ももをアクティブに使います(重心を足の母指球にのせます)
- 手は腰に。骨盤を後継させながら胸を開き、後屈へ入るためのスペースを作る
- (胸は開き続ける意識を持つ。力を抜いて胸のスペースが崩れないように)
- 仙骨は天井高く保つ意識
ステップ2
- 肩を背中の後方へ送る。ここで5呼吸カウント(自信がなければここでストップし上体を起こす)
ステップ3
- 手を腰から離して仙骨の前で合掌作る
- 頭を後ろへ下ろす
- 手を腰から離しても、骨盤を前へ出し続ける、背骨を長く保ち続ける意識
- ここで5呼吸カウント(痛みがなければ次のステップへ。自信がなければ、ここでストップしゆっくり起き上がる)
ステップ4
- 手を頭の上にあげる
- 肩甲骨は下へ引き下げる
- 頭は後ろに落としたまま、骨盤を前に送る、重心を前に送り続ける。
- 少しだけ膝を曲げ、胸を広げる。
- この状態を心地よくキープできれば視線をマットへ送る。
ステップ5
- マットの上のどこにフォーカスすべきか決める
- 吐:手の指を広げて、肘を少しだけ曲げて、床におりる準備をする(急がないこと。このプロセスを何年もかけてマスターするつもりで練習する)
- おりると決めたら、重心は前方向へ足へ乗せ続ける。
- 背骨はコア・マッスルでサポートされている。
- 上半身を伸ばすため、胸は開いたまま。
- 絶対に手から床に重力で落ちていかないこと。(手首・首を痛めるリスク大)
- 足で体の体重を支えながらゆっくりと手が床についていくイメージ。
ステップ6
- 吸:カムアップ
- 吐:ドロップバック
この動きを繰り返す。(非常に難易度が高い動きになるため、可能な限り指導者の元で練習する)
インターミディエイトシリーズへ進むための前提条件
筆者は、プライマリーシリーズからインターミディエイトシリーズへ進むための前提条件を定義しています。
- 少なくとも1年以上(週6日)プライマリーシリーズを練習していること
- ウッティタ・ハスタ・パダングシュターサナで安定した心で身体のバランスを保てること
- スプタ・クールマーサナで、背中で手を繋ぎ、足を組むことができること
- ウールドヴァ・ダニュラーサナからのカムアップ・ドロップバックが安定してできること
私自身、アシュタンガヨガを練習し始めて4年。毎日プラクティスを続けていますが、セカンドシリーズのポーズに苦戦しています。(スプタ・クールマーサナ、カポターサナ、エーカパーダシルシャーサナ)
せっかちな性格なので、早く次に進みたいと焦る気持ちが先に来てしまいます。伝統的なアシュタンガヨガでは、指導者がOKを出すまでは与えられたポーズができるようになるまで1ポーズづつ練習していきます。1ポーズでつまづいてしまうと、次に進めないというもどかしさはありますが、そんな制約も今は楽しんで練習しています。
この人生でできなければ、次の人生でマスターするつもりで・・・
“Once you start practicing the Intermediate Series, do no stop, no matter how difficult it seems. Continuity and consistency are the key to the success of this series. “(KINO MacGREGOR)
インターミディエイトシリーズの練習をスタートしたならば、どんなに困難に思えても、途中でやめてはいけない。継続と一貫性がこのシリーズをマスターするカギです。