六浦 ヨガのある暮らし~座りっぱなしのライフスタイルを変える5つのヨガポーズ
座りすぎのライフスタイルを変えるためには30分ごとに立ち上がり動くことが必要です。
あなたは、1日何時間座っていますか?
コロナの影響で、リモートワークを導入している企業も多くなってきて、在宅ワークで1日中家で仕事をする人も増えてきました。特に通勤しなくてよい在宅ワーカーの場合、食事や仕事、パソコンやテレビを見ている時間を含めると8時間以上座っている方が多いのではないでしょうか?最新の研究結果では、血流や筋肉の代謝が低下し、心筋梗塞、脳血管疾患、肥満、糖尿病、がん、認知症など健康に害を及ぼす危険性が指摘されています。
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/000656521.pdf
私は毎日1時間以上ヨガをやっているから大丈夫、そんな風に思っていました。ところが、文献によるとたくさん運動したからといって、座りっぱなしが引き起こす悪影響に対しては効果がないのです。座りすぎの問題を解決する唯一の方法は、立ち上がって動くこと。これだけなのです。
リモートワークの合間にできる効果的なヨガポーズ
「仕事中にヨガをすることなんて難しい」と思っていませんか?ヨガウェアに着替えたりヨガマットを敷いて行う必要はありません。畳1枚分のスペースがあれば、いつでもどこでも取り組めるのがヨガの素晴らしいところです。座りすぎの問題(肩こり、首回りの痛み、腰痛など)に効果的なヨガのポーズはたくさんあります。しかし、実際に毎日の生活に取り入れられなければあまり意味がありません。今回は、どんな面倒くさがりな人でも日常生活に取り入れやすいヨガポーズを5つご紹介します。
選定基準
- 他の作業をやりながら取り組める
- 取り組みやすさ(例:椅子に座ったまま行える)
- ターゲット部位(背骨・股関節)
電話会議中にもおすすめ、「ヴリクシャーサナ(木のポーズ)」
最初にお勧めしたいのは木のポーズです。(股関節外旋:意識する部位は腸腰筋・中臀筋です)歯を磨きながら、料理をしながら、スタンディングデスクの人は仕事中にも取り入れられます。意識したいポイントは、持ち上げた足のお尻の筋肉を使うことを意識することです。お尻をだらんとしたままでは、効果も十分ではありません。
- 両足揃えて立ちます。左足を軸にして、右足を爪先立ち。
- 右足股関節から外回しするようにして、膝をできるだけ横向きにして股関節を開きます。
- バランスが取れていたら、右足裏を、左足のふくらはぎ横か、膝を避けて太もも横に押し付けるように足を持ち上げます。(手を使って持ち上げてもOK)
- しっかりと膝頭を閉じて、足裏を押し付けてバランスをとります。(軸足の足裏で床を押す力と、横から足裏を押し付ける力でバランス)安定していたら両手を胸の前で合唱か、天井方向に伸ばします。(手のひらを後ろに見せるように)(左右行います)
ポーズ中も、お尻の筋肉を使って足を持ち上げるような意識で左右行いましょう。最初は壁につかまりながらバランスをとっていきましょう。慣れてくると、支えがなくてもバランスを保てるようになってきます。
立ち上がるのが面倒なズボラなあなた「スワン(座った白鳥のポーズ)」
立ち上がるのも億劫なあなた・・もう言い訳はできません。座ったままでも取り組めて、股関節の柔軟性に効果的なポーズがあるんです。
- まず、椅子に座った状態で右足の外くるぶしを左足の腿の上にのせます。
- のせた足のスネが、正面に向かって並行になる状態をつくります。
- そのまま、できるだけ背筋を伸ばした状態で上体を前に倒して前屈します。
- お尻周りの筋肉が伸びるのを感じれればOKです。自分の気持ち良いところで、キープしましょう。(左右行います)
私は、少し強度を上げるため、のせた足の下にクッションを挟んで高さを出すようにしています。
猫背になりがちなあたな「椅子に座って行うバラドヴァージャアサナ(背骨の横捻りのポーズ)」
このポーズは、椅子に座ったまま、靴を履いたままのオフィスでも取り組みやすいポーズです。首や肩こりに効果的です。
- まずは椅子に横向きに深く座りましょう。
- 坐骨を真下に押すようにして、背筋をのばします。
- 両手で椅子の背もたれをつかんで、体を背もたれの方へねじっていきます。
- この時、無理やり捻ろうとせず、まずは背筋をまっすぐ伸ばし、息を吐きながら少しづつ体を回転させます。お腹から胸、最後に首の順番でねじっていきます。20−30秒ほど自然な呼吸でキープしましょう。(左右行う)
ツイスト効果ででデトックス「座ったまま行うマリーチアーサナC(賢者マリーチのポーズ)」
このポーズは、マットの上で行うより椅子に座った状態の方が取り組みやすいと思います。ブロックを使うパターンもありますが、足を椅子の上にのせて行うこともできます。
- まずは椅子に安定した状態で座ります。
- 膝を伸ばして両足を前に出したら、右足の膝を曲げてかかとをお尻のほうに近づけるようにして、右足かかとを椅子の上にのせます。
- 右手を椅子の後ろに置いて体を支えながら、左手を天井高く伸ばします。
- そのまま左手の肘を右膝にできるだけ深くひっかけるようにして、一度背筋を伸ばします。息を吐きながら、肘で膝をおすようにして、体をゆっくりと捻っていきます。できるだけ背筋を伸ばした状態でポーズをキープします。(左右行う)
背骨、股関節周りの柔軟性を高めてくれるポーズです。ウエストシェイプアップにも効果的です。
胸を開いて深呼吸「ヴィパリータ・ダンダーサナ (逆転の杖のポーズ)」(パイプ椅子を使います)
効果:腰痛を楽にする、猫背改善
- このポーズではパイプ椅子が必要です。両足を背もたれに通して反対向きに座ります。
- 両手で椅子の背もたれをつかみ、お尻が背もたれの方の椅子の端にかかるように、ずりずりと体を前に出します。
- 胸を開きながら、ゆっくりと頭を床のほうに下げていきます。
- ボスルターを頭の下に用意しておくよよいでしょう。両足は、ブロックで高さを出してサポートしてあげると安定します。
- 30-60秒ほどキープします。気持ちよく胸が開くと、呼吸も深まり、とてもリフレッシュできます。背中、肩周りがガチガチで猫背がちな方は、一度試してみてください。
後屈のポーズが苦手な方でも、椅子をサポートに使うことで、無理なくポーズをキープできます。
(参考資料「アイアンガーヨガ・完全マニュアル」)
座りっぱなしにならないヨガ習慣化のコツ
ヨガのポーズ自体はそれほど難易度の高いものではありません。最も難しいのは、30分、60分ごとに立ち上がり体を動かすことを習慣化することです。新しい習慣をつくるためによく使われるのが If then ルールです。毎日必ず行う行動に結び付けることで、習慣化しやすくなるというものです。例えば、タイマーがなったら座った白鳥のポーズ、歯を磨きながら木のポーズを行う、でも良いと思います。
新しい習慣をひとつづつ増やしていく、そんな風にゲーム感覚で楽しんで行うことが継続のコツです。