陰のアーサナ Toe Squat(つま先スクワット)
Contents
Toe Squat(つま先スクワット)
つま先スクワットは、陰ヨガの中でも特に長時間ホールドすることで痛みを感じやすいポーズの一つかもしれません。ただし、この痛みは悪いものではなく、体がポーズに反応している証拠です。このポーズでは、つま先の屈曲と足首の背屈が行われ、さらに膝関節と股関節の穏やかな屈曲にもアプローチします。また、足底筋膜(足の裏)にも刺激を与え、足全体の柔軟性を高める効果があります。
いつも靴を履いて過ごしている私たちにとって、足首やつま先は日常生活の中で最も意識を向けづらいエリアです。足首やつま先を動かさずに過ごしていると足首がかたくなり動かなくなるリスクもあります。
このポーズは、足元から全身の安定性をサポートするポーズです。定期的に練習することで、転びにくい体づくりや転倒防止に役立ちます。特に年齢とともに筋力やバランス感覚が低下しがちな方におすすめです。
ターゲットエリア
- つま先の屈曲、足首の背屈
- 膝関節、股関節、足裏の筋膜
禁忌
- 膝に痛みがある場合(ブロックに座る)または膝を立てて膝立ちになる
- 足首・つま先がかたい場合、ホールド時間を短くする
ポーズのインストラクション
ポーズに入る時
- つま先を立てて踵に座ります。足のつま先で立つのではなく、足の親指から小指の付け根部分(ボール)でしっかり支えてバランスをとります。足の小指までしっかり立ててあげましょう
ポーズから出る時
- 手をつきながら体を前に倒し、お尻を踵から浮かせます
- つま先を伸ばして、ゆっくりとお尻を踵に下ろします
ホールド時間目安
- 2分〜3分
軽減法・バリエーション
- 【軽減】お尻の下にブロックを入れて座る(膝が痛い場合)
- 【軽減】お尻を踵から持ち上げ、膝立ちのポジションでホールド(膝が痛い場合)
- 【高強度】膝の位置を少しだけ前に移動させることで、つま先の屈曲、刺激を強くする
カウンターポーズ
- 足首ストレッチ
- チャイルドポーズ
- サドル(鞍のポーズ)
*足首の底屈つま先ポイントのポーズがカウンターポーズとして効果的
経絡ターゲット
- 腎・膀胱経絡(下半身全体にアプローチ)
- 胃の経絡(足首の前側)
【つま先スクワットが転倒防止に効果的な理由】
- 足裏の感覚を鋭くする:
- つま先の屈曲や足底筋膜への刺激により、足裏の感覚受容器(プロプリオセプション)が活性化されます。これにより、足の接地感覚が向上し、地面の不安定さを素早く察知できるようになります。
- 足首の柔軟性と安定性を強化:
- 足首を背屈( dorsiflexion)させることで、足首周りの筋肉や腱が強化され、バランスを保つ力が向上します。これにより、つまずいたときのリカバリーがしやすくなります。
- つま先の筋力強化:
- つま先の屈曲によって足の指の筋肉を鍛えることで、歩行時の踏ん張りが効きやすくなり、滑りやすい場所でも踏ん張る力が増します。
- 股関節・膝関節の安定性向上:
- 穏やかな膝関節と股関節の屈曲が、下半身全体の柔軟性と筋力のバランスを整えるため、ふらつきを抑え、転倒しにくい体を作ります。
- 重心のコントロール:
- 長時間のホールドにより、体の重心を意識して保つ練習ができます。これが、日常生活における体重移動やバランス能力の向上に繋がります。