アーユルヴェーダの起源

アーユルヴェーダという言葉はサンスクリット語で「生命の科学」という意味を持っています。 紀元前1500年前の古代インドのヴェーダ時代に著されたヴェーダ文献に起源を持ち、リシ(聖人)たちが口頭で伝えてきた教えとされています。

アーユルヴェーダの三大古典書

  • チャラカ・サンヒター(内科)
  • スシュルタ・サンヒター(外科)
  • アシュタンガフリダヤ・サンヒター(2つをまとめて再編)

アーユルヴェーダの定義

「アーユルヴェーダとは、有益な人生と無益な人生、幸福な人生と不幸な人生、人生にとって有益なことと無益なこと、人生の長さ、人生そのものがとかれるもののことをいう」(チャカラ・サンヒター総論1章)アーユルヴェーダとは、身体的、精神的、スピリチュアル的なバランスに注目することで、病気を予防し健康に歳を重ねるためのホリスティックなアプローチです。

全ての生命はエネルギーのバランスによって支えられていることを前提に、そのバランスを保つことで身体、マインド、精神の乱れの原因を根本から取り除いていく予防的考え方がベースとなっています。(西洋医学のように病気や病理に焦点をあてることはせず、対処療法ではなく、問題の原因を取り除くことを重視しています。アーユルヴェーダは私たち一人ひとり、自分に合った(持って生まれた)調和の状態を自然のパワーを使って取り戻していくプロセスです)

アーユルヴェーダの目的

「健康な人の健康を守り、病気の人の病気を治すことである」(チャカラ・サンヒター総論30章)

アーユルヴェーダはインドにおいて公式な医学の部門として学ばれており、治療に関する知恵だけではなく、根本的な「健康」を考えています。

「健康=身体的にも精神的にも病気ではなく、見た目にも精神的にも若々しく、魂が喜ぶ豊かな人生を送ること」

  • 予防:病気にかからないようにする(「健康=病気ではないこと」ではない)
  • 若返り・老化防止
  • 幸福な人生を過ごす
  • 治療:病気を治す

なぜアーユルヴェーダを学ぶのか?現代社会に必要なアーユルヴェーダ

今後世界には、地震、台風、氾濫などの自然災害、コロナウイルスなどのパンデミックが数多く発生する可能性があります。そんな危機に直面したときに、私たちが守ってきたお金、家、仕事、名声、社会的地位など一瞬にして意味を持たなくなることもあるのではないでしょうか。一方で、アーユルヴェーダの知識は何千年という長い歴史の中で実践され、検証されてきた知識です。

知識は目には見えませんが、知識は誰にも盗まれません。災害が起きても、仕事や家を失っても、知識は永遠に自分の財産になります。アーユルヴェーダだけではありませんが、学ぶこと、学び続けることは、国や時代を超え、どんな危機に面した時でも立ち上がれる力=レジリエンスとなります。

アーユルヴェーダはどんな年齢でも、どんな生活習慣を持つ人でも取り入れることができる考え方です。

特に不調和・危機が身近にある現代社会において、一人ひとりの個性や体質、多様性を尊重し、自分をメンテナンスできる力を学ぶことは必要なことです。

アーユルヴェーダの8部門

  • 内科
  • 外科
  • 耳鼻咽喉科
  • 毒学
  • 鬼神学
  • 育児学(小児科、産婦人科含む)
  • 強壮学(若返り・アンチエイジング)
  • 強精学

パンチャカルマ(5つの浄化療法)

  • 浣腸法(バスティ)
  • 催下法(ビレーチャナ)
  • 催吐法(ヴァマナ)
  • 点鼻法(ナスヤ)
  • 瀉血療法(ラクタモクシャナ)

全てをつかさどるエネルギー

アーユルヴェーダでは、宇宙や自然、人間などあらゆる全てのものは5大元素をもとにした3つのドーシャと呼ばれる生命エネルギーによって、支配されていると考えます。一人ひとり、異なるトリドーシャのバランスを持っていて、このバランスがうまく取れている時=健康、バランスが乱れると=不調となって現れます。食事や生活習慣、季節や環境、年齢、ライフスタイルによっても、ドーシャのバランスは乱れてくるため、いかに今乱れているバランスを正していけるかという具体的な方法論をこのブログで共有していきます。

5大元素(パンチャマハブータ)

  • 空 風 火 水 地

3つの生命エネルギー(トリドーシャ)

  • ヴァータ(風):動きのエネルギー(冷性・軽性・乾性・移動性・粗性)
  • ピッタ(火):変換のエネルギー(温性・軽性・油性・鋭性)
  • カパ(水):安定のエネルギー(冷性・重性・油性・緩慢性)