陰ヨガとは
陰ヨガとは受動的なポーズを静かに長く(3~5分)保ちながらゆったりとした呼吸をすることにより身体の中心部(靭帯や腱、筋膜などの結合組織)に働きかけ関節の稼働範囲を取り戻していく、静的なヨガです。
陰ヨガはリラクゼーションのためのリストラティブヨガとは異なります。明確な解剖学的な目的をもって安全・セラピー的な方法であえて関節に負荷をかけるのが特徴です。
ほとんどの現代人は毎日椅子に座ったまま背骨と腰を固定して生活しています。その結果、私たちの多くが背中や腰に慢性的な痛みを持っています。しかし、椅子に座ったまま背中を固定して生活していては関節は退化していくと、ポール・グリリー氏は警鐘をならしています。ポール・グリリー氏は、陰ヨガを次のような言葉で表現しています。「嵐は短時間しか続かない。霧雨は一日中降り続く」「関節の稼働範囲を取り戻していくためには、静止・長いホールド時間が必要です。おだやかに関節に負荷をかけることで、関節の固着化を防いだり、滑液の循環を取戻してくのです。」
陰ヨガのポーズを取る時のポイントとして、筋肉はリラックスしたまま、重力の力を利用して、おだやかに自然にホーズが深まるのを味わいます。
さらに、陰ヨガでは上記にあげたような解剖学的なアプローチだけでなく、自分の呼吸と身体の微細な動きを観察していきます。そのポーズにとどまるのか、軽減法を取り入れるのか、その時どんな選択をするのか自分の心と身体に意識を向けてあげるヨガスタイルなのです。つまり、陰ヨガは瞑想的な効果も期待できるマインドフルネス要素の多いヨガがだと言えます。
陽ヨガ | 陰ヨガ |
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動的なヨガ(ハタヨガ、アシュタンガヨガ、ヴィンヤサなど) | 静的なヨガ |
呼吸に合わせて動く | 1つのポーズで長くホールドする |
筋肉にアプローチ | 関節や結合組織にアプローチ |
筋力を強化する | 身体の結合組織を刺激・ストレッチすることで関節の柔軟性を高める |
陰ヨガ基本ポーズ一覧・アルファベット順
陰ヨガの練習するためにたくさんのポーズを覚える必要はありません。シンプルな基本のポーズを適切な深さでホールドすることが大切です。陰ヨガでは、強度をあげること=ポーズの強度を上げることではありません。ホールド時間を長くすることが、ポーズの効果を感じるために必要な要素です。
- Anahatasana(ハートメルティング)
- Ankle stretch(足首ストレッチ)
- Bananas ana(バナナ)
- Bridge(ブリッジ)
- Butterfly(バタフライ)
- Half butterfly(ハーフバタフライ)
- Cat pulling its tail(キャットテイル)
- Caterpillar(キャタピラー)
- Child pose(チャイルドポーズ)
- Dangling(ぶら下がりのポーズ)
- Dragon(ドラゴン)
- Frog(カエル)
- Happy baby(ハッピーベイビー)
- Reclining twists(リクライニングツイスト)
- Saddle(サドル)
- Savasana(シャバーサナ・ペンタクル)
- Shoelace・Square(シューレース・スクエア)
- Snail(スネイル)
- Sphinx / Seal(スフィンクス・アザラシ)
- Squat(スクワット)
- Straddle(ドラゴンフライ)
- Swan・Sleeping Swan(スワン・スリーピングスワン)
- Toe squat(つま先スクワット)
陰ヨガの効果とは?
3つの視点から陰ヨガの効果を考えることができます。身体的な効果、経絡システムへのアプローチ、そして、マインドフルネス です。このクラスでは、各ポーズでの身体的なターゲット部位を明確にし、その身体感覚に最大限の注意を持って意識を向ける実践をしていきます。マインドフルネス 瞑想の準備につなげるクラスづくりをしていきます。
1. 身体的アプローチ
- 靭帯や腱、筋膜といった結合組織に働きかけ、関節の可動域を取り戻す
- 適切な刺激を緩やかに(時間をかけて)与えることで、関節周りの組織を強化する
2. マインドフルネス
- 呼吸と体の感覚に意識を向けることで、今この瞬間に起きていることに気づく
- 草ではなく、花に水をあげること(古い思考パターンを手放し新しい思考習慣を作る)
3. 経絡システム
- 気の流れをスムーズにする